2025年12月、日経クロストレンドが発表した「未来の市場をつくる100社」2026年版に、株式会社日本XRセンターが選出されました。設立からわずか2年という異例のスピードでの選出です。
同社が掲げるビジョンは、「XRを映画館やカラオケのように、日常的に楽しめる場所にする」こと。VRやARといった没入型技術を一過性のブームに終わらせず、人々の生活に根付いたエンターテインメントへと昇華させようとしています。
XRアトラクションの開発・運営からVR研修ソリューション、さらには大阪・関西万博へのコンテンツ提供まで——急成長を続ける日本XRセンターの全貌に迫ります。
日本XRセンターとは——グローバル体制で「高品質・低コスト」を実現
株式会社日本XRセンター(Japan XR Center Inc.)は、代表取締役の小林大河氏が率いるXRエンターテインメント企業です。親会社であるPotlatch, Inc.は2020年に設立され、日本XRセンター自体は2023年に事業を開始しました。
資本金は約1.3億円、累計調達額は約2.4億円に達しています。従業員数は11名から30名規模と、まだスタートアップとしてはコンパクトな組織ですが、その開発力は業界でも注目を集めています。
同社の強みは、日本・インド・サンフランシスコの3拠点によるグローバル開発体制です。インドに開発拠点を持つことで、リーズナブルな価格で高品質な製品をスピーディに提供することを可能にしています。日本人プロジェクトマネージャーが常駐するため、コミュニケーション面での不安もありません。
「技術をシンプルに、付加価値高く、リーズナブルなコストで実装する」——このミッションが、同社の急成長を支えています。
主力事業① XRアトラクション——「XR Center Game Space」の全国展開
日本XRセンターの事業の柱の一つが、直営XR体験施設「XR Center Game Space」の運営です。
キャナルシティ博多に福岡店オープン
2025年12月19日、福岡市のキャナルシティ博多に「XR CENTER GAME SPACE 福岡店」がオープンしました。100坪を超える規模を誇り、キャナルシティ博多を代表する体験型エンターテインメント拠点となっています。
この店舗は、GENDAグループのダイナモアミューズメントとの共同運営です。同エリアには、ダイナモアミューズメントが展開するVR施設「VR BASE TOKYO」も同時オープンしており、キャナルシティ博多は九州最大級のXR体験拠点へと生まれ変わりました。
代表の小林大河氏は、「国内外のファンが訪れる”地域密着型のXRテーマパーク”を目指している」とコメントしています。
代表コンテンツ「ZOMBIE STORM」
XR Center Game Spaceの主力コンテンツが「ZOMBIE STORM」です。振動スーツとガンコントローラーを装備し、全身でゾンビの襲来と戦う没入型シューティングアトラクション。視覚・聴覚だけでなく、触覚への刺激も加わることで、映画の世界に入り込んだかのような体験が可能です。
このZOMBIE STORMは、「XR Kaigi 2025」のコンシューマー部門において最優秀賞を受賞しました。全身を使った没入体験、優れたユーザー体験設計、そしてエンターテインメント性の高さが評価されています。
バトルワールド2045
もう一つの代表作「バトルワールド2045」は、AWE Asia 2024のVR部門で最優秀賞を受賞しています。日本XRセンターのコンテンツ開発力が、国際的にも認められていることの証明です。
2027年全国10店舗へ
日本XRセンターは、2027年までに全国で10店舗の展開を計画しています。東京に続く福岡への出店は、地方都市への本格展開の第一歩。今後、観光地や商業施設への出店が加速していくでしょう。
主力事業② VRトレーニング「ビートレ」——JALも導入
日本XRセンターは、エンターテインメントだけでなく、BtoB向けのVRトレーニング事業も展開しています。
ビートレシリーズ
「ビートレ」は、現場研修をVRでカスタマイズできるトレーニングソリューションです。VRヘッドセットだけでなく、PC、スマートフォン、タブレットなど多様なデバイスで利用可能。低コストかつスピーディに、高品質な3Dトレーニングを提供できます。
JAL導入の「ビートレグラハン」
「ビートレグラハン」は、日本航空株式会社(JAL)に導入されたVRトレーニングシステムです。グランドハンドリング業務——空港で航空機の誘導や荷物の積み下ろしを行う業務——における実践的なスキル向上を支援します。
VR上で空港や飛行機の状況を再現することで、実機を動かすことなくトレーニングが可能。一人でも研修を行えるため、トレーナー不足の解決と費用の効率化に貢献しています。
月額10万円の「ビートレ360」
「ビートレ360」は、360度動画を活用したVR知識学習アプリです。月額10万円のサブスクリプション型サービスとして提供されており、クイズ付きの360度研修動画を無制限で作成できます。
実際にその場にいるような没入感で知識の定着を促進。製造業におけるDX推進や、ベテランから若手への技術継承といった課題解決に貢献しています。
大阪・関西万博への挑戦——「SAMURAI:XR 蒼天綺譚」
日本XRセンターは、2025年開催の大阪・関西万博にもコンテンツを提供します。
NTTデータのヘルスケア共創ラボとの共同開発により、XRアトラクション「SAMURAI:XR 蒼天綺譚」を公開予定です。
このアトラクションの特徴は、AI診断によってプレイヤーの武器が決定されるという点。体験者は侍となり、AIが選んだ武器を手に妖怪たちと戦うシューティングゲーム形式の没入体験を楽しめます。
国内外から多くの来場者が訪れる万博という舞台で、日本XRセンターの技術力が世界に発信されることになります。
受賞歴が証明する実力
日本XRセンターは、設立から短期間で複数の権威ある賞を受賞しています。
XR Kaigi 2025 コンシューマー部門 最優秀賞
日本最大級のXRカンファレンス「XR Kaigi」において、「ZOMBIE STORM」がコンシューマー部門の最優秀賞を受賞。日本国内でのXRアトラクション開発力が最高レベルであることが認められました。
AWE Asia 2024 VR部門 最優秀賞
世界最大のXRカンファレンスAWE(Augmented World Expo)のアジア版において、「バトルワールド2045」がVR部門の最優秀賞を獲得。国際的な評価も確立しています。
日経クロストレンド「未来の市場をつくる100社」
そして今回、日経クロストレンドが選ぶ「未来の市場をつくる100社」2026年版に選出。ビジネスメディアからも、同社の成長性と市場形成力が評価されたことになります。
設立2年でこれだけの実績を積み上げている企業は、XR業界においても稀有な存在と言えるでしょう。
今後の展望——XRが日常になる未来へ
日本XRセンターのビジョンは明確です。「XRを映画館やカラオケのように、日常的に楽しめる場所にする」。
2027年全国10店舗計画
キャナルシティ博多への出店を皮切りに、地方都市への店舗展開を加速させます。観光地や商業施設との連携により、XR体験へのアクセスを全国に広げていく計画です。
地域密着型XRテーマパーク
代表の小林氏が掲げる「地域密着型のXRテーマパーク」というコンセプトは、単なる店舗展開にとどまりません。地域の観光資源やイベントと連携し、その土地ならではのXR体験を創出することで、地域活性化にも貢献していくビジョンがあります。
エンターテインメント×トレーニング×万博
XRアトラクション、VRトレーニング、そして万博という三本柱で事業を展開する日本XRセンター。BtoCとBtoBの両輪を持つことで、XR技術の社会実装を多面的に推進しています。
まとめ——「未来の市場をつくる」企業として
設立からわずか2年で、日経クロストレンド「未来の市場をつくる100社」に選出された日本XRセンター。XR Kaigi 2025最優秀賞、AWE Asia 2024最優秀賞、大阪・関西万博へのコンテンツ提供、福岡キャナルシティ博多への出店——その実績は、急成長スタートアップの名にふさわしいものです。
日本・インド・サンフランシスコのグローバル体制による「高品質・低コスト・スピーディ」な開発力。エンターテインメントとトレーニングの両軸での事業展開。そして、「XRを日常に」というブレないビジョン。
XRが一過性のブームではなく、私たちの生活に根付いたエンターテインメントになる未来。日本XRセンターは、その未来を自らの手で創り出そうとしています。




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