ティフォンがXRアトラクション提供を本格拡大——ディズニー選出の技術力で商業施設の”体験価値”を変える

XRエンタメ

ティフォニウム
出典: PR Times – ティフォン

2025年12月15日、日本のXRエンターテインメント企業「ティフォン(Tyffon)」が、企業・商業施設向けXRアトラクションの提供を本格拡大すると発表しました。ライセンスアウト事業とフランチャイズ事業を同時開始し、これまで自社運営してきた「魔法のような体験」を全国、そして世界へ広げる動きを加速させます。

お台場のダイバーシティ東京プラザで7年以上にわたりXRテーマパーク「ティフォニウム」を運営し、累計26万人以上の来場者を集めてきた同社。ディズニーアクセラレータプログラムにアジア企業として唯一選出された実績を持つこの日本発スタートアップが、いよいよ本格的な事業拡大フェーズに入ります。


ティフォンとは——ディズニーが認めた日本のXRカンパニー

ティフォン株式会社は、2011年11月11日に設立されたXRエンターテインメント企業です。創業者でありCEO/CCOを務める深澤研氏は、サン・マイクロシステムズでエンジニアとして勤務した後、画家・映像作家としてのキャリアを経て起業。テクノロジーとアートの両方を深く理解する独自のバックグラウンドが、ティフォンのクリエイティブの源泉となっています。

設立当初は、顔認識技術を用いたARアプリ「ゾンビブース」シリーズを開発。このアプリは累計4,000万ダウンロードを突破する大ヒットとなり、同社のAR/VR技術力を世界に知らしめました。

そして、同社の信頼性を決定的にしたのが、ディズニーアクセラレータプログラムへの選出です。ウォルト・ディズニー・カンパニーが運営するこの権威あるプログラムに、アジア企業として唯一選ばれたことは、ティフォンの技術力とクリエイティブ力が世界トップレベルであることの証明と言えます。

現在の主要株主には、SEGA SAMMY HOLDINGS、TBS HOLDINGS、そしてウォルト・ディズニー・カンパニーが名を連ねており、エンターテインメント業界からの評価の高さがうかがえます。


代表的なXRアトラクション——ホラーからファンタジーまで

コリドール
出典: PR Times – ティフォン

ティフォンが開発・運営するXRアトラクションは、多彩なジャンルをカバーしています。

コリドール (Corridor) — 次世代ホラー体験

「コリドール」は、ティフォンを代表する次世代ホラーアトラクションです。体験者はランタンを手に持ち、幽霊屋敷のような空間を歩き回りながら探索します。最大の特徴は、VR空間内に体験者や同行者の実際の姿がリアルタイムで反映されること。この独自技術は日米で特許を取得しており、「仲間と一緒にいる」という安心感と恐怖が同時に押し寄せる独特の体験を生み出します。

2022年4月からは中国での海外展開もスタートし、年間12箇所への展開を計画。グローバルな人気を集めています。

フラクタス (Fluctus) — 海底冒険ファンタジー

フラクタス
出典: PR Times – ティフォン

2024年7月にリニューアルされた人気アトラクション「フラクタス: ワンダリング・オーシャン」。体験者は船に乗り込み、神秘的な海底世界を冒険します。リアルな振動や風を体感しながら、手持ちのクラゲを投げて生き物や物体とインタラクションを楽しめます。恐怖が苦手な方やファミリーにも人気のコンテンツです。

フローリア (Floria) — 大人数対応VR

フローリア
出典: PR Times – ティフォン

2024年8月に予約受付を開始した新作アトラクション。大人数で同時に楽しめる設計で、グループ利用に最適化されています。

タロットVR アルカナ・ジャーニー — 占い×VR

選んだタロットカードの世界をVRで体験できる、新感覚の占いアトラクション。占いとエンターテインメントを融合させた独自のコンセプトで、若い女性を中心に人気を集めています。

かいじゅうのすみかVR — 円谷プロコラボ

「おいで。食べたりしないから」というキャッチコピーで展開される、円谷プロダクションとのコラボレーションアトラクション。特撮ファンにはたまらない怪獣体験を提供しています。

エンチャントリー アクアティカ — Apple Vision Pro対応

2024年8月にミラージュ大阪でスタートした、Apple Vision Proを使用した最新アトラクション。最新デバイスへの迅速な対応も、ティフォンの技術力の表れです。


独自技術——なぜティフォンの体験は”本物”に感じるのか

ティフォンのXRアトラクションが他と一線を画す理由は、その独自技術にあります。

リアルタイム姿合成技術

「コリドール」で採用されている技術は、VR空間に体験者や同行者の実際の姿をリアルタイムで合成するというもの。通常のVRでは自分の姿は見えませんが、ティフォンの技術では仲間の存在を視覚的に確認できます。この技術は日米で特許を取得しています。

アダプティブストーリーテリング

歩き回るだけで展開が変わる仕組みも、ティフォンの強みです。体験者の動きに応じてストーリーが分岐し、同じアトラクションでも毎回異なる体験ができます。

五感への刺激

VRヘッドセットによる視覚・聴覚だけでなく、風や振動といった触覚への刺激も導入。これにより、脳が「本物」と錯覚するほどの没入感を実現しています。

こうした技術の積み重ねが、体験後アンケートで88%という高い満足度を達成している要因です。「最新技術を体感できて本当に凄かった」「異世界だった」といった声が体験者から寄せられています。


ライセンスアウト・フランチャイズ事業の開始

今回発表されたのは、ライセンスアウト事業とフランチャイズ事業の同時開始です。

ライセンスアウト事業のメリット

商業施設や観光施設がXRアトラクションを導入する際のハードルを大幅に下げる仕組みが整えられています。

  1. 初期投資を抑えられる: ハードウェアとソフトウェアのセット提供だけでなく、ソフトウェアのみの提供も可能。既存設備を活用した低コスト導入が可能です。
  2. 短期間での集客装置化: 空き区画を短期間で集客力のあるアトラクションに転換できます。商業施設のリーシング戦略にも貢献。
  3. 少人数での運営: 複雑なオペレーションは不要で、少人数のスタッフで運営が可能。人件費を抑えながら高品質な体験を提供できます。

提供コンテンツ

ライセンス提供されるのは、「コリドール」「フラクタス」「フローリア」といった実績のある人気アトラクションです。

ターゲット層との親和性

ティフォニウムの来場者データによると、20代から30代の友人グループや家族連れが中心で、男女比はほぼ半々。この層は多くの商業施設や観光施設が主要ターゲットとする層と一致しており、XRアトラクションが高い親和性を持つことが実証されています。

さらに、近年では訪日外国人の利用も増加しており、インバウンド対応コンテンツとしての導入効果も期待されています。


商業施設・観光施設にとっての導入価値

XRアトラクションの導入は、施設にとって多くのメリットをもたらします。

高い集客力

体験型コンテンツは、ECでは代替できない「その場に行かなければ得られない価値」を提供します。差別化が難しくなっている商業施設にとって、強力な集客装置となり得ます。

インバウンド需要への対応

言語に依存しにくいXR体験は、訪日外国人にとっても楽しみやすいコンテンツです。観光施設においては、日本ならではの技術力を体感できるアトラクションとして訴求できます。

体験型コンテンツのトレンド

小売業界では「モノ消費」から「コト消費」へのシフトが進んでいます。XRアトラクションは、この流れを捉えた集客施策として最適です。

ワンストップサポート

ティフォンは、事業プランニングから開発、導入、運営サポートまでをワンストップで提供。XR導入に不慣れな施設運営者でも安心して導入を検討できる体制が整っています。


今後の展望——XRが日常になる未来へ

ティフォンは、今後さらなる拡大を計画しています。

海外展開については、中国を皮切りに年間12箇所への新規展開を計画。「コリドール」を中心に、ティフォンの体験を世界に届けていきます。

大型イベントへの参画実績も増えています。大阪・関西万博の「大阪ヘルスケアパビリオン」では、カプコンの人気IP「モンスターハンター」のXRコンテンツ『モンスターハンター ブリッジ』の開発支援を担当。ARアトラクション「DinoScience 恐竜科学博」の制作も手がけており、大規模イベント向けのソリューション提供も本格化しています。

Apple Vision Proへの対応など、最新デバイスへの追随も積極的です。XRデバイスが進化するたびに、ティフォンの体験も進化していくことでしょう。


まとめ——体験価値で選ばれる時代へ

ティフォンは、2011年の設立以来、7年以上にわたってXRアトラクションの開発・運営を続けてきた日本のパイオニア企業です。ディズニーアクセラレータ選出、日米特許取得、88%の満足度、累計26万人以上の来場実績——これらの数字が、同社の実力を物語っています。

今回のライセンスアウト・フランチャイズ事業の開始により、ティフォンの「魔法のような体験」は、自社店舗を超えて全国の商業施設・観光施設に広がっていくでしょう。

ECでは代替できない「体験価値」が求められる時代。ティフォンのXRアトラクションは、施設の集客力を高める新たな選択肢として、今後ますます注目を集めることになりそうです。


参考リンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました